お気に入り

 親父はここの娘二人が大変お気に入りで、孫同然に可愛がっていた。 昔、ちびさんだった頃。昼間の兄のマンション来て、お菓子しこたま食べて、親父の方の家に連れてきたら食べすぎでゲロ吐いたって聞いたが(W  一昨年のクリスマス時期に、親父は一人でふらりと出かけて、ここの家の駅までは行ったが、そこからそのマンションまでの道のりを忘れてしまい(もう痴呆が相当進んでいたから)、周り中に家をたずねまくったそうな… しかし、俺たち子供は、年末にケーキをお土産にもらった事なんか無かったゾイ!買ってと言えば買ってたけど。ある時期まではね。  
 去年も転んで入院した時も、ここの一家が見舞いに来てくれた時は、親父が非常にニコニコしていたっけ。 そんときはちょいとやぼったい娘だったけど、制服着て、シャギー入った髪とか見ると、今風の女の子だなぁ。 女の子はスグにキレイになるね。
 親父の方はやがてはニコニコがへらへらになって、入院したら無表情か、終いには不快そうな表情で固まってしまったが。それもすぐに。

マイクロバス2台に分乗して府中の焼き場に向かう。 やたら細い道を大型車で走るのでビックリ。 このときに棺桶運んだのがキャデラック。それには母が乗った。 すぐに焼却炉に入れて45分待つ。 焼け残ったお骨を箸で壺に入れます。ある程度やってからは、係りの人がギチギチに詰めてくれます。 マグネットで金属類を取り去ったりして。入れ歯の金具とかそう言うのを。 壺は兄が持ち、遺牌は未亡人である母が。 写真は私が持って、バスに。 3時頃、遅くの昼食、食事が手配してあり、お坊様も含めて戴く。このときはお坊様二人とも、お酒は車があるので飲まなかった。 この時の会食が、1人前4000円…高いなぁ。ここだけで何十万円だもの。母と兄がやらないので、ビールやお酒を注いで回る。 ここまで付き合って戴いたみなさんには、本当にご苦労様です。 あの扱いづらい親父のために付き合っていただいて。

 そういえば、親父の兄(故人)の長男が朝方の参列にだけ見えて、スグに帰ってしまった。長男の家なのに、あの付き合い方は無いだろうと思う。もっと遠縁の家も来ているのに。田舎の本家を、問答無用で更地にしちまった…まったく。
 お寺の会場から、タクシーで…バス停が近くにあるのだが、親戚の多くは、地理的にこの辺が全くわからないので、タクシーに分乗してお帰りになる。 伯母とその息子・従弟が家に寄って、暫く休んでいたが、家は神奈川なので、かえっても10時だろうと。 留守番を頼んでいたおじさんと、式に出てくれたおばさんをも含め、4人を駅まで車で送り出す。
 会食で何故か余ってしまった料理は、我々が持って帰った。お客も帰った8時頃、残り物とかと合わせて夕食にする。 ちなみに、留守番していただいた小父さんであるが、会場で出た料理は、ちゃんとこちらの届けられている。

 ロッテ・ダイエーの決定戦を最期まで観て、雨が降ってるので車をだしてもらう。ちょっと嫌そうだったが。 久々の我が家。 火事も泥棒も無かった様子で安心。