ネタバレ含む

特に全体のプロットとかがメチャクチャ。 
人間関係を捉える場面が無いのに、勝手に進行している人物の部分。 X星人の小僧のキャラクターが浮いている。北村一輝のキャラクターなんかは別に褒める部分は無い。「家畜の姿がお気に入り」だそうだ…怪獣は沢山出るが、宇宙人のスーツは数作らなかったらしい。お粗末だ。 

X星人の見せる絵像でのゴラスの予想図・ゴラスが地球にぶつかって粉々にしている…そんな見かけより重い大質量の星ならば、衝突前に地球の方から砕ける筈で(ロシュの限界)、そんな初歩的科学ミスをする星人はウソだと判らなきゃ。科学者居るんだろ…そこの彼女、轟天号のレバー引いている場合じゃないよ。て、多分監督はわかってないんだろう。 
 1万年以上前に放置したガイガンがなんの理由も無く(この映画は何の理由も無い事象が多すぎ。限度を超えているが)復活するわ、大昔から人類と星人のハイブリット人種を潜ませて今日利用するわ「随分と気の長い侵略計画だな」。そんな高度な科学で1万年もあったのに、「人間のミトコンドリアが必要」なんて欠陥を克服できない理由が判らん。 「怪獣を作るほどのバイオ技術、他に使えよ!」…監督か脚本はミトコンドリアの意味する物を理解していないんだろうな。

 映画「マトリクス」って1999年の映画だぜ。それを今頃真似するなんて、どんな感覚してるのさ?ま〜臆面も無く長々と、パクッてさ、どう観ても「吊るしている」ようなワイヤーワークとか、観ているこっちが照れるわ。 高速道路の格闘シーンも含め、格闘場面のすべてが他の映画で見た場面と手法のマネだった。

 ミニラの目的と成長の意味が全く不明。その意味を伝える場面も皆無。ジェットジャガーと同じぐらい理由不明で巨大化して、ゴジラとさって行く。訳わかんねーよ。 そう、この映画一言で言うな「訳が判らない」編集も雑で、2時間もあるのに重要な事を伝えないでただ進行する。

  • 絵作りが下手

 怪獣が単体で暴れている場面は、マァマァ見れる絵なんだけど、ゴジラと怪獣が戦う場面となると、途端に画面構図が平面的な、奥行きの無いカットばかりになる。ゴジラの肩越しカットとか、俯瞰気味のカメラとか… 要するに、街を手前から奥まで作りこむようなセットが殆ど無いので。昔のTV特撮では当たり前にあった絵で、効果的な絵が作れないのだ。「平成ガメラ」ではその手のカットが作り込んであったのとは対照的である。  
 地球人の戦艦。カマキラスに乗られた場面では、カマキラスと同サイズ。だが、上海タワーに激突した同型戦艦大きさは、タワーと比べると3,40メートルに縮んでいないか? で、カマキラスゴジラと戦う場面ではゴジラの半分の大きさも無い…場面によってスケールがバラバラだ。 (カマキラスは幼虫が戦ったんだ、きっと)

 酷い映画だけど、こんな金が掛かった怪作は中々作られる物じゃないよ。たぶんアクション好きなチビッコ連れや中高生なら十分楽しめると思う。 派手なビジュアルと画面とかはゴジラっぽくは無いが、その辺は良く出来ている。 が、映画としては駄目過ぎ。ドタバタのみ。 ここまであからさまに破綻プロットで進めば、うるさがたで無い人でもツッコミたくもなりますわ〜 否、映画ではない。万博パビリオンとかのびっくり映像と言うべきか。